足利の伝説に登場の「豆腐地蔵さん」は13世紀生まれで、今は黒地蔵に。
足利市北郷小学校東側の丘にある墓地は、菅田町の光得寺の別所墓地のようだ。
小学校東の交差点に見える石の階段を登ると小さな丘にへばりつくように幾多の墓所が立ち並んでいる。その入口に真新しい茶色のお堂があります。
そのお堂をのぞいてみると、ほぼ等身大と思えるような大柄な地蔵様の坐像がいらっしゃいました。お堂横の由緒パネルを見ると、元は近隣の光得寺本堂にお祀りされていた坐像で、足利の伝説にある「菅田の豆腐地蔵さま」で、製作は13世紀中頃という古い仏様だ。
その光得寺といえば、足利源氏二代・足利義兼が晩年仏教に帰依し、運慶に作らせたと言われる「厨子に入った大日如来」(現在東京国立博物館にて保存)と2008年3月にニューヨークのクリスティーズのオークションにて1430万米ドルで落札された運慶作と見られる大日如来坐像(現在は宗教法人・真如苑所蔵)の2つの運慶仏が伝わっていたと言われている。明治期の廃仏毀釈によってそれぞれ寺を離れてしまったのだと。
そんな2つの運慶仏とともに祀られていたこの「地蔵菩薩像」も光背などの備品が流出してしまい荒れていたのを、数年前に現代の仏師らによって修理された。そのお披露目で、2022年秋に『足利義兼の祈り 大日如来坐像』の展示会に出品されていた。美術館の中で見た印象と冬の日差しが差し込むお堂の中で鎮座する印象はちょっと違った。
願いが叶うなら、、、先に書いた2つの運慶作の大日如来像とともに、この地蔵菩薩像もしっかりした郷土の博物館や美術館で保存されることを夢見たい・・・。
<参考>足利 菅田 光得寺の文化財
https://koutokuji.ashikaga.org/ktg0200/ktg0210/